11月11日の日記

自分には、いちばんたいせつな場所がある。
複合商業施設にあるありきたりなサンドイッチ屋。
そこは吹き抜けに面してて、遠くに緑が見える。

自分は19の頃からそこに通っていて、今年で8年になる。
間違いなくこれまでの人生でいちばんどん底だった19のとき
カーテンもあけられずコンビニすら行けない毎日の中
病院帰りにその店に寄っては「このままじゃ終われない」と誓った。
通院途中に自殺しそうな自分を抑えるのに必死だった頃
さほど流行ってないそのサンドイッチ屋は自分の駆け込み寺だった。

以来、何かあると、そこへ駆け込む。
就職活動・就職・仕事・病気・恋愛・・・・・
ひとりでゆっくり考えたいとき、
なにも考えたくないとき、
誰にもじゃまされたくないとき、
見晴らしの良い窓際のその席で
ベーコンエッグトマトサンドを食べる。
そして少し復活してまた毎日に戻っていく。

メニュー改定でベーコンエッグトマトが消えたときは
居場所がなくなったような喪失感に襲われたけど
今日行ってみたら、復活していた。泣きそうだった。
いつかその店がなくなってしまったら自分はここで生きて行けない気がする。

いつか、その店に逃げ込まない自分になれるんだろうか。